【キラキラしたい☆】10
思いっきり疲れて、休憩タイム。
正直、プリシラの話なんて、
ほとんど頭に残ってなかった。
まあ、バイトだし、いいよね。
休憩は、トイレタイムなので
あまり時間はなかった。
あたしも、素早くトイレに行った。
椅子に座る前に、
スナックテーブルで
手当たり次第に、クッキーや
スナックを取って、食べた。
当たり前だけど、
本来売り物のお菓子が並ぶので
どれもこれも、美味しい。
美味しいスナックって、
本当に、わくわくして
幸せになるわ。
ちょっと幸せになったところで、
ディスカッションになった。
どうも、先月の目標などについて
各ブロックリーダーから
コメントがあり、それについて
ディスカッションして、
来月の目標などを立てるみたいだ。
我がAブロックは、ナンシーが立つ。
恐ろしく笑顔で、シナシナと歩くその姿は、
なんか、キンダーの発表会みたいだ。
ナンシーは、いきなり声が裏返っちゃって、
どうしちゃったの?状態。
こんなところで、アガルかしら。
あたしは、びっくりした。
緊張してるナンシーって、
ちょっと可愛いかも。
ナンシーの話は、
ちっとも要領を得ず、
あたしがちゃんと聞こうとしても、
英語じゃないみたいだった。
どうしちゃったんだ、ナンシーって
隣に行って、肩を抱いてあげたいくらい
ひどい。
話し方も、めちゃくちゃなのだ。
一息ついているナンシーに向かって、
べティがいきなり質問を投げかける。
で、結局、目標は、達成したのですか。
ナンシーは、もごもごして、
なぜか、ビッキーを見るが、
ビッキーは、知らん顔してる。
あたしには、そもそも、
目標が何かすら、つかめてない。
ナンシーは、緊張が頂点に達したのか、
いきなり泣きそうになっている。
まさか、泣かないよね。
と思うまもなく、声をだして
盛大に泣き始めた。
プリシラが、
落ち着いて、説明すればいいんだから。
と話しかけるが、聞こえてないようだ。
と、突如、ナンシーは、
ダッシュして、部屋の外へでてしまった。
帰ってしまうみたい。
お店のガラス越しに、
泣きながら走っていくナンシーが見えた。
どうなるんだ。いったい。
あたしは、びっくりして、プリシラを見た。
ジョニーが、大きめの声で、
ナンシーは、あんなでは、リーダーは
無理なんじゃないですか。
プリシラは、なぜ、ナンシーが適任と思ったのか
お聞きしたいわ。
と問いかけた。
プリシラは、顔を赤くしたり、青くしたりして、
少し、怒ったような声で、
ナンシーは、優秀なんです。
とだけ、小声で言った。
で、次のブロックの発表になってしまった。
Aブロックは、これで、いいみたい。
結局、来月の目標も立ててないけど、
いいのかしら、と他人事みたいに、思った。
ほかのブロックの発表は、
とてもスムーズにすすみ、
あっというまにディスカッションの時間は、
終わってしまった。
ほどなく解散になり、
あたしは、ほっとため息をついた。
ビッキーが、驚いた?疲れたでしょ。
と温かい笑顔で、声をかけてくれた。
あたしは、笑顔で、大丈夫と言って、
外にでて、深呼吸をした。
すると、ビッキーとジョニーが
そばによってきて、
お茶しよう、と言ってきた。
あたしは、もうお腹もいっぱいで、
正直、あたまもいっぱいだったので、
また、次回に、と言って、
断ってしまった。
そのまま、お部屋へ帰るのは、
ちょっと気分がのらなかったので、
学校に行った。
学校のスナックルームには、
だれもいなくて、
あたしは、ほっとして、
画用紙を出して、
思いのままを描き始めた。
描いているうちに、
気持ちが落ちついてくるのが、わかる。
今日は、クレヨンで
描いてみたんだけど、
グリーンの草原の中に
ぽっと、まあるく小さい水溜りがあり、
その水に、太陽が反射して
キラキラしている様子を描いた。
クレヨンだけでは、
物足りなくなって、
たまたまゴミ箱に捨てられていた
ファッション雑誌を拾ってきて、
コラージュを始めた。
楽しい。楽しい。
次から次へと、イメージがわき、
あたしは、夢中になって、
コラージュをしていた。
気づくと、そこに、
ナオミ先生がいた。
にっこり、笑って
素敵な作品ができているわね!
と言ってくれた。
あたしは、ちょっと恥ずかしかったけど、
ナオミ先生に褒められて、
コラージュを改めて、見てみた。
すごいものができていた。
ナオミ先生は、あたしのインスピレーションを
とても評価してくれているので、
こういった作品もどきも、
とっても大事に扱ってくれる。
グリーンが効いてるわ。
最近のライラは、グリーンなのね。
とナオミ先生に言われて、びっくりした。
そうなのだ。最近、なぜか、グリーンに惹かれてる。
ナオミ先生は、グリーンの石について
さまざまな情報を教えてくれて、
ヒンズー教のお寺みたいな目の看板の
お店に行ってくるといいわ、と
そのお店の住所を書いてくれた。
そのまま、授業のあるナオミ先生は、
教室に行ってしまった。
あたしは、素敵な情報を入手できて、
なんだか、うれしくなった。
ナオミ先生は、ステディなパートナーが
ZENみたいな神秘的なことをしている方らしく
さまざまな情報を持っていて、
ときどき、あたしに教えてくれる。
素晴らしい先生だわ、と
あたしは、にっこりした。
早速、ローラを誘って、行ってみよう。
ローラに電話をしてみよう。
あのね。ローラ。あたし。ライラ。
つづく・・・