ローラも乗り気になってくれて、
早速、バートの駅で待ち合わせをすることになった。

あたしは、コラージュを
サランラップでカバーして、
バックに大事につめて、
駅まで小走りした。

駅に着くと、
もう、わくわくした表情の
ローラが待っていた。

あたしたちは、キャーと声をあげ
強くハグして、
らんらんらんとハミングしながら
バートの階段を下りていく。

サンフランシスコは、
車以外で、公共交通機関も
非常に発達した町だ。
しかも、安全である。
観光客の好きなケーブルカー、
路線バスに、バート。
バートとは、地下鉄のこと。
路線バス以上に細かく駅があり、
縦横無尽なルートがあり、
組み合わせれば、市内どこにも行ける。
なので、あたしたちは、
ほとんど、バートで移動する。

ダウンタウンの駅までは、
あっというまだった。
あたしたちは、地下鉄の窓に映った
お互いの顔を見ては、
にこにことしてしまっていた。

ダウンタウンに着くと、
バートからの階段を上がり、
道路にでた。

ナオミ先生の描いた地図通りに
歩いていくと、
特徴的な目の看板と
『ブラックアイ』という
お店の名前が確認できた。

あたしたちは、ほとんどダッシュして
お店の前まで行った。

お店は、思ったより小さめに見え、
ガラス張りの店内に入り口ドア。
所狭しと商品が並び、
ランプがついているのが、わかる。

あたしたちは、ハローと言いながら
お店に入った。
薄暗い店内は、怪しいというよりは、
落ち着いた雰囲気だった。
丁寧に商品を見て回っている
お客さんたちが、数人いた。

お店の中は、商品の間を
ちょうどひと一人だけが通れるような
通路になっており、
そこを博物館のように歩いて回るようになっていた。

さまざまなパワーストーンや
テーマ別の仮面、
儀式につかうような道具たちや
コスチュームなどもあるし、
お香や宗教的なアイテムも並んでいた。
中は、すべて、幻想的なランプで照らされ、
あちこちに形の異なる鏡が
飾られていた。
奥にすすむと、カフェスペースのような
椅子やテーブルが並んでいるのが見えた。
占いや瞑想などを行っているようだった。
外から見たときよりも、
かなり広い店内に驚く。
ローラは、自分の欲しいものに
導かれるように、
奥へ奥へと歩いていった。

あたしは、碧の石のコーナーに
進んでいった。
そのコーナーには、碧の
異なった種類の石が並んで
あたしを待っていた。

そんな碧の石たち

■ネフライト
心をリラックスさせてくれる

■クリソコーラ
第4チャクラを活性化させ、ハートの方向を正しい方向に導いてくれる

■マラカイト
心の色を表し、全ての出来事を意味のある出来事であると強く感じることができるようになる

■ユナカイト
エネルギー(血液)をハート(心臓)にスムーズに循環させ、豊かな心を育む意図を感じる

■アマゾナイト
進むべき道を教えてくれ、心も癒してくれる

■アベンチュリン
心を活性化させてくれる。自分の心の内側を癒し、また今を生きている明確な意図を感じ、夢の現実化、豊かさを高めてくれる

■セラフィナイト
言霊的にセラフィエルと共鳴し、自分の意識を高める意図を持つ

■翡翠
ハートで物事を捉え、そのエネルギーを宇宙に繋げ「私がここにいる」という意識を高める

■モルダバイト
宇宙の意識が受信されている

どの石も、形が選択できる。
丸、ハート型、エッグ型、ポイント型、
天使の型などもある。
ピラミッドの形にも、できる。

碧ではないが、セレスタイトのピラミッドにも、
惹かれてしまう。
そのクリアなブルーがとても爽やかであり、
青い地球を連想させる。
キラキラとした輝きがとても美しい。

ああ、どうしよう・・・

目をつぶって、すべての碧の種類の
ちいさい涙型をエンジのシートの上に集めて
あたしは、こころを集中した。
ひとつの石から、熱が出ているのがわかる。
迷わずに、握った。

それは、宇宙から受信されたモルダバイトだった。

あたしは、注意深く、形を選んだ。

ヘキサゴン(六芒星)にカットされたものに
最も惹かれたので、これにした。

ヘキサゴンは、男性原理と女性原理の統合、
顕在意識と潜在意識のバランス、現実化の形、
魂と肉体の統一、などを象徴し、
私たち人間の意識に変容を与え、
本来の自然の姿に調整させてくれる形と言われている。

まさに、いまのあたしにぴったりだ。

レジに進もうとすると、
オーナーらしき銀髪の大柄な男性が
笑顔で、あたしを見た。

それでいいですか

とても温かい声で、マッサージされてるような
感覚になってしまう。
不思議に思いながら、あたしは、うなづいた。

丁寧に包んでくれている間に
ローラを探すと、
一心不乱にマンダラの絵を見ていた。

あたしは、お金を払うと、
奥のカフェで、ジンジャーの
中国茶を飲みながら、
大事に、両手で、モルダバイトをつつみ
瞑想した。

ふいに、ローラが弾んだ声で
ライラと呼ぶ。

目を開けると、ローラが、
珍妙なアジア風のマンダラを手に
ご満悦な表情だった。

あたしたちは、そこで、
美味しい中国茶と中国菓子を楽しんだ。

つづく・・・・

参考HP
「スピリチュアルストーン」
http://www.spiritualstone.com/