授業が終わると、
みんなのため息が
クラスルームに充満した。

あたしは、早速リンダをつかまえて
食事に行こうと誘った。
すると、ローラがするっと
あたしの腕とリンダの腕を
握って、からだごと運ばれた。

あたしたち三人は、
気づいたら、
行きつけのメキシカンレストランにいた。
ハンサムで陽気なお兄さんに、

  美しい三姉妹、いらっしゃーい!!

と、毎回うっとりする歓迎を受け、
いつもの奥まったソファーの席に
あたしたちは、落ち着いた。

アボカド大好きな
あたしたちために作られたような
アボカドたっぷりなサルサの
ホームメイドコーンチップス

チーズとビーンズが
お行儀良く入った
サクサクあつあつのケサディア

メキシカンフードといえば、
これサボテン!のソテーが乗った
ホームメイドタコス

そして、メインに
チキンとビーンズに
チーズたっぷりアツアツのナチョス

という、熱々でサルサのピリッとしたお味に
メキシコのハイビスカスのお茶をオーダー

あたしたち3人の味の好みは、
ぴったり同じなので、
オーダーは、全く迷わない。

曲もサルサが流れている
このお店は、
それでいて騒がしくなく、
客席を個室のように見せる
大きなサボテンの鉢植えが
そこここに置かれて、
照明も暗く落とされている。
大人のお店だ。

あたしたちは、おなかが空いていたので
お料理が届くと
ガツガツと食べ始めた。

ようやく、おなかが落ち着くと
あたしたちは、満ち足りた
にっこり笑顔で顔を上げ、
だれからともなく
美味しいねと言いあった。

いつきても、美味しくて
おなかもこころも
満ち足りる。

あたしは、目の赤い
リンダの顔を覗き込み
何かあった?と聞いた。

ローラは、何故か目を閉じ
瞑想を始めている。
すると、おもむろに、
このあいだ買った曼荼羅を
取り出した。

リンダは、じっと見つめて、
静かに泣きはじめた。

  実は、恋をしているの。

あたしとローラは、同時に

  ええーーーーっ

と叫んでしまった。

リンダは、顔を赤くして
恋煩いのノロケのような
話を始めた。
職場の取引先の社長さんとの
ことだった。

  もう、どうしようもなく
  彼のことで頭がいっぱいなの

と、メソメソしながら、笑顔だ。

ローラは、お告げを
厳粛な面持ちで告げた。

  恋は、あなたを成長させます

リンダは、ぱっと顔が輝き
にっこりした。

  ありがとう、ローラ、ライラ

とあたしたちをいきなりハグして
激しくホホにキスしてくる。

あたしは、ちょっとうらやましかった。

恋よ、恋。
あたしに、足りないもの。

ローラを見ると、
リンダの勢いに目を白黒させている。
かわいい。

あたしは、ローラと恋ができるのかしら。

気づいている風でもない
鈍感なローラに、
あたしは、期待を込めて
熱い視線を送った。

つづく・・・・